紙つぶて

 

東京新聞夕刊コラム「紙つぶて」にて連載しています。東京新聞、中日新聞、北陸中日新聞に掲載されており、首都圏・中京圏・東海・北陸の方には紙面でもご覧いただけます。

2018年12月17日
希望の第一歩

 この半年間、土日になると、落ち着かない私でした。このコラムの原稿の締め切りが近づくのに一向に筆が進まないからです。編集者を平然と待たせる物書き風情は、私の観た映画の中だけのことでした。スリルに満ちた21回の週末を経て今回やっと最終回を迎えることができました。
 途中、ご無沙汰している先輩の「見た。楽しみにしている」との重たいお言葉も、知人の「もっとハラハラドキドキを」と悩ます指摘も、毎回いただく丁寧な感想文も、全て力となりました。他愛もない、ただ、確かに私の人生に刻まれた出来事を回想しては、今、目の前で起きている出来事と時空を超えて関連づけてみる。このあたりは、作家気分を味わえたのかもしれません。
 「人」「働く」にまつわる共感や疑問を伝えられればと、たどったこの夏、秋、冬。私には彩り深い季節となりましたが、一つでも皆さんの心にとまるコラムとなったら本望です。また、私なりの感じ方を紙面で披露するからには、世間の多くの考えに耳を澄ます姿勢が必要だと気づかされました。自分を問い直す毎回の600字だったのです。
 新年を迎えます。多様な意見や見方こそ成長の種と受け止め、働く人の希望につながる新たな第一歩を踏み出したいものです。皆さまにとって良き年となりますよう、心よりお祈り申しあげます。ありがとうございました。

2018年12月17日の東京新聞・中日新聞夕刊に掲載