中央闘争委員長「2021春季生活闘争アピール」

2021年3月16日

2021春季生活闘争アピール

分配構造の転換に向けて
働く者の思いを貫徹しよう!

我々は、2021春季生活闘争における最初のヤマ場を迎えている。

要求書を提出した各組合は、産業・企業の状況・将来展望や職場実態等について、労使で真摯な議論を積み重ねる中で、この一年間の、コロナ禍を乗り切るための様々な施策への協力や、職場の生産性向上に向けた努力・頑張りを強く主張してきた。そして、掲げた要求の実現に向けて精力的に交渉を追い上げてきた。

本日現在、既に少なからぬ組合で、賃上げの有額回答や、働き方の変化に対応する手当や制度の創設など、「人への投資」につながる回答を引き出し、またその見通しを明らかにしている。

分配構造の転換につながり得る賃上げと誰もが安心・安全に働くことのできる環境を実現していくには、この最初のヤマ場で引き出される回答を最大限活かし、続く中堅・中小組合はもとより、未組織を含めたすべての働く者の賃上げと労働諸条件の改善に、確実に波及させていかなければならない。

連合本部・構成組織・組合・地方連合会は、第5回戦術委員会確認事項(3月15日確認)を踏まえ、以下の事項に取り組むよう要請する。

1.交渉中の組合は、「今次闘争に臨む基本的な態度」を堅持しつつ、要求趣旨に沿った回答を引き出すべく、最後の最後まで粘り強く交渉を追い上げる。

「今次闘争に臨む基本的な態度」(第4回中央闘争委員会確認事項より再掲)

  • コロナ禍を乗り越え、感染症対策と経済の自律的成長を両立していくには、これまでの賃上げの流れを継続する中で、分配構造の転換につながりうる賃上げと誰もが安心・安全に働くことのできる環境整備を実現していくことが極めて重要であり、20年に亘るわが国の平均賃金の低下と雇用劣化の流れに逆戻りすることは、断じて防がねばならない。
  • すべての働く者の将来不安の払拭に向けて、「人への投資」にこだわった交渉を粘り強く進め、最大限の回答を引き出していくことが、我々の責務である。
  • 連合・構成組織・組合・地方連合会は、今次闘争に取り組むすべての組合の交渉環境を確保するため、連携を一層強化する。

2.先行して回答を引き出した組合は、グループや関係する会社の交渉環境が担保されるよう、経営者に対して最大限の配慮を求める。

3.構成組織は、諸要求に関する回答内容を速やかに連合に報告するとともに、その後に続く中小組合の最大限の回答引き出し・早期解決にむけてサポートする。

4.連合本部は、ヤマ場(3月16日~18日)の期間、切れ目なく情報を発信し各組合の交渉を後押しする

5.地方連合会は、地場共闘の回答結果を速やかに公表し、地場相場の形成に努める。

2021年3月16日
日本労働組合総連合会(連合)
2021春季生活闘争 中央闘争委員長
神津 里季生

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