重大な危機に瀕する日本の民主主義!

2018年3月19日

民主政治の根幹を揺るがす重大事態に対して、本日、連合見解を発表すると共に、17時より神津会長が緊急会見を行います。

◆連合見解(全文掲載)

重大な危機に瀕する日本の民主主義

-今こそ危機を救う決断を-

日本労働組合総連合会

1.民主政治の根幹を揺るがす重大事態

  • 財務省による、「森友問題」に関わる資料の改ざんが明らかになった。この問題に関してはほぼ1年間にわたり国会で多くの時間が費やされてきていた。今回の事態はその間の国会での政府答弁の根拠を大きく崩すものであり、まさに異常な事態と言わざるを得ない。
  • 国会と国民は「官製偽情報」によってこの1年操作され続けてきたわけである。2年前の防衛省による南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠ぺい問題など、度重なる政府による情報の隠ぺい、改ざんによる国民の政治や行政に対する信頼失墜は、日本の民主主義の危機と言わざるを得ない。
  • 政府による適時、適正な情報開示は民主政治を健全に機能させるための大前提である。事実が隠ぺいされた状況のもとで実施された昨年10月の衆議院選挙は、その正当性を根底から覆しかねず、看過できない事態と認識する。

2.この問題の根底にあるもの

  • 我々は国会での真相究明を強く求める。この問題の責任は、一部官僚に押し付けて済むようなものではなく、政府全体・内閣全体で負うべきである。同時に、今回の事態の重大さは、政策決定プロセスにおける公正・透明さの欠如、とりわけ、国民が真実を知る権利まで封じられている現状にあり、まさに国民不在の政治と断じざるを得ない。
  • 極めて問題の大きいこうした政府の態度を許し続けること、さらには国民の代表としての国会が機能不全に陥っている事態を、我々は強く憂う。この事態を招いた根本原因は、緊張感を欠き制御の効かない一強政治にあることは論をまたない。その根本まで立ち帰らねばこのような事態が再び繰り返されかねない。

3.今こそ危機を救う決断を

  • 今、問われているのは国会の建て直しである。一強におごる与党に国会の建て直しは期待できようもない。一方、民主党政権崩壊以降、野党がまとまれない状況が今日の政治状況を招いてきた一因ともなっている。日本の政治を司る与野党双方の罪は大きいと言わざるを得ない。
  • 野党には、相互の細かな違いをあげつらう暇はない。一丸となって国会の建て直しに邁進すると同時に、今こそ建て直しを実現するに相応しい体制構築に全力を挙げるべきである。日本の民主主義の危機を救う決断を求める。

以 上