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2010春季生活闘争のまとめ


2010春季生活闘争方針・まとめインデックスへ
第7回中央闘争委員会/2010年8月19日

1.はじめに

2.取り組みの特徴と問題点

(1)取り組みの基本的な考え方

(2)結果と評価

[1]賃金カーブ維持分(定昇およびその相当分)の確保による賃金水準の維持

[2]非正規労働者を含むすべての労働者の労働条件向上の取り組み

[3]賃上げ相場の波及と情報開示

[4]労働時間の短縮、ワーク・ライフ・バランス実現の取り組みについて

[5]政策制度との連携

 企業業績の回復が思わしくなく、交渉環境が厳しいなかで、可処分所得の増大というナショナルセンターとしての社会的責任を果たすべく、2010春季生活闘争は、政策・制度実現への取り組みと春季生活闘争の推進を車の両輪として運動を展開してきた。本年は政権交代が実現して、はじめて迎える春季生活闘争でもあり、従来以上に政府と緊密に連携した取り組みをすすめ、優先順位をつけた取り組みを展開した。
 具体的な取り組みとしては、[1]景気・消費回復、雇用・生活防衛のための総合経済対策の効果的な実施、[2]雇用の安定とセーフティネットの整備・拡充、[3]安心して暮らせるための社会保障制度の確立の3本柱を中心とする政策課題に取り組んだ。

《主な取り組み経緯と成果》
 連合は、第4回中央執行委員会(2010年1月21日)において、第174回通常国会に上程される法案や審議会への対応を中心とした「2010年度政策・制度実現『当面の取り組み方針(その3)』」を確認し、「政府・連合トップ会談」「政府・連合定期協議」など政府との政策協議や、首長・地方議会・地方自治体に対する要請行動などを通じて、連合本部・構成組織・地方連合会が一体となった運動を推進した。
 具体的には、2010年度政策・制度実現の取り組みと2010春季生活闘争における賃金・労働条件改善の取り組みを「車の両輪」として、運動の相乗効果を高めるため、政府が2009年12月に策定した「明日の安心と成長のための緊急経済対策」のための2009年度第2次補正予算及び2010年度予算の早期成立に取り組んだ。また、[1]景気・消費回復に資する総合経済対策、[2]雇用の安定・確保と雇用創出、[3]雇用保険法・労働者派遣法の改正、[4]最低賃金の引き上げ、[5]医療・介護従事者の処遇改善、[6]公契約基本法と公契約条例の制定、[7]公務労使関係の抜本改革による労働基本権の確立に関連する項目について取り組んだ。
 その結果、第174回通常国会では、同方針で掲げた多くの事項が実現された。主な成果は以下の通りである。

  1. 2009年度第2次補正予算(2010.1.28成立。雇用保険の国庫負担分3,500億円の上乗せ措置など)
  2. 2010年度予算(2010.3.24成立。雇用保険の適用範囲拡大、「協会けんぽ」に対する国庫負担率の引き上げ、診療報酬のプラス改定、「子ども手当」への児童手当財源の充当への対応など)
  3. 2010年度税制改正(扶養控除から子ども手当への振り替え、高校の授業料実質無料化に伴う特定扶養控除の見直し、租特透明化法の成立など)
  4. 雇用保険法の改正(雇用保険の適用範囲の拡大、雇用保険に未加入とされた者の遡及適用期間の拡大)
  5. 「子ども手当法」の制定
  6. 「高校の実質無償化」の実現(公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の制定)
  7. 「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律」の成立(「協会けんぽ」に対する国庫負担率の引き上げなど)

 あわせて、政府における「新成長戦略」の検討に際しては、構成組織からの意見を取りまとめ、政府・連合トップ会談、定期協議など政府との政策協議や雇用戦略対話を通じて意見反映を行った。その結果、6月に閣議決定された「新成長戦略〜『元気な日本』復活のシナリオ〜」に連合の考え方の多くが盛り込まれた。
 一方、通常国会に提出された、労働者派遣法の改正案、政治主導確立法案、地域主権改革関連法案は、衆議院で審議未了のまま継続審議となった。地球温暖化対策基本法案は、5月に衆議院で可決されたが、参議院での審議未了・廃案となった。
 連合はこの間、2010年度から始めた「希望と安心の社会づくりキャンペーン」の一環として、これまでの取り組みや成果をわかりやすく解説した「私たちの暮らしがこう変わります!」「日本の暮らしは変わるぜよ」チラシを作成し、情宣に努めた。
(詳細は「2010年度春の政策・制度実現の取り組み」等のまとめを参照)

3.今後の取り組みに向けた課題

(1)賃金関係

  1. 絶対水準の引き上げを重視する取り組みへの転換

     賃金の相場形成と波及において、もっとも重視されるべきは賃金の絶対水準にあることは言うまでもない。また、共闘連絡会議の運動を更に進めていくためには、個別ポイントにおける絶対水準を重視した取り組みは不可欠である。そのためには、中核組合、代表銘柄による一層の情報開示とともに、賃上げ対象の基準賃金の範囲、ベアと定昇の区別、昇進昇格原資などの賃金公表条件の共通化などの条件整備について、共闘連絡会議を中心にして検討を進め、整備を行う必要がある。また、各共闘連絡会議における具体的な到達目標水準の設定についても検討を進めていく必要がある。

  2. 賃金カーブ維持の取り組み

     賃金水準を維持していくには、賃金制度の整備を通した水準維持のための所要財源を確認するだけでなく、労使間で制度全体の仕組みそのものを検証する必要があるが、こうした仕組みをもたない中小労組に対して、実態把握や事例について連合としてまとめ、それをどう運動に活かしていくか等について検討を行う。

  3. 一時金について

     一時金へのシフトが進むなかで、連合台における運動として一時金取り組みの位置づけを明確にすべきとの意見が多く出されている。これはいかに安定的に年収を確保するかといった意見と受け止められる。今後に向けて、一時金の位置づけや具体的な運動展開についてこれまでの運動経緯もふまえつつ、各委員会を活用し、慎重に検討を進めていくこととする。

  4. 企業内最低賃金協定の取り組みについて

     労働者の賃金の底上げのため企業内最低賃金協定(締結拡大と水準引き上げ)の取り組みを強化し、それを特定最賃の取り組みへと結び付けていくこととする。

(2)すべての労働者を対象にした取り組みの強化と運動の推進

 この間、非正規労働者が増大するなかで、労働の需給そのものによって労働価格(労働の対価)が決定される外部労働市場が形成されてきた。しかし、こうした非正規労働者を中心とする外部労働市場と、正規労働者を中心とした内部労働市場とをひとつのテーブルでつなぎ均等・均衡処遇を実現していくことが不可欠である。こうした取り組みは労働組合しかできないものであり、労働組合の基本的責務として均等・均衡処遇を念頭に、どのように運動を展開していくかについて検討を詰めていくこととする。具体的には、均等・均衡処遇を実現していくための一歩として、産業・企業ごとの就労実態などの違いも勘案しつつ、勤続や経験年数などを踏まえた一つのポイントにおいて、各構成組織が共通して運動遂行ができる考え方の整理にむけて、検討を進めていく。

(3)労働時間の短縮

(4)男女間賃金格差の実態把握と是正、改正育児・介護休業法の定着・点検活動

  1. 男女間賃金格差の実態把握と是正

     男女間の賃金格差の是正には、実態を把握し問題点を拾い出すことからスタートしていく必要があるため、引き続き職場の賃金実態の把握、点検、要因分析を行いながら格差是正のため運動を進めていく。

  2. 改正育児・介護休業法の定着・点検活動の推進

     改正育児・介護休業法の施行に向けた労働協約化推進の取り組みは、1,728組合で要求し、926組合で回答を引き出した。今後は、改正育児・介護休業法の定着とともに、実態把握や事例収集を進め、法を上回る労働協約の締結促進の取り組みを進めていく。

(5)政策・制度取り組みのあり方

 春季生活闘争における労働条件改善の取り組みと、政策・制度取り組みとして労働者生活を改善するための取り組みは、今後とも「車の両輪」の取り組みとして一層連携を強化し、運動を推進していかねばならない。こうした観点に立ち、今後とも、春闘期間中の取り組みとして一体的な取り組みとなるよう、重点課題の絞り込みや春季生活闘争における集中的な取り組み態勢の強化など、検討を行っていく。

(6)共闘連絡会議のあり方

  1. 共闘態勢の強化
    • ア. 共闘連絡会議としての統一性と幅を勘案しつつ、何を機軸に取り組みを推進していくかについて検討するとともに、いかに相場形成と波及を図るかといった課題について検討を進める。また、集団的労使関係強化の観点から将来に向けた労使会議の設置について議論を深めることとする。
    • イ. 地方段階においてもできる限り共闘連絡会議を設置するなど、地場共闘をこれまで以上に強化する。このため、構成組織の支援・共闘態勢と地場における支援・共闘態勢の有機的な連携と役割分担について検討する。
       一方、従来の地域ミニマム運動を強化し、ミニマム集計について地方連合会としてうまく利用できるよう工夫するとともに、地場共闘における相場形成のための指標づくりを行うことも検討する。
  2. 相場形成機能強化に向けた短期・集中決着態勢

     3月の大手組合の回答をいかに4月以降の回答につなげていくか。どのように集約し、波及効果を強めていくかについてさらに具体的な検討を行う。また、今年設定した代表銘柄をどのように活用していくか。精度を高めるための対応を含め、さまざまな検討を行う。

  3. 規模間格差是正に向けた具体的な取り組みのあり方

     これまで日本商工会議所、全国中小企業団体中央会などと連携をとりながら取引問題とコスト分担・付加価値分配のあり方の歪みの是正に向けた取り組みをすすめてきたが、連合全体として優越的地位の濫用防止、規模間格差是正を具体的に前進させる取り組みについて検討する。

  4. 闘争機関の設置と機能  

     共闘連絡会議において共闘連絡会議代表者会議、書記長・事務局長会議と設置したことに伴い、今後の拡大戦術委員会の役割やあり方について検討する。

  5. 官公労働者の取り組みとの連携のあり方  

     公務員制度改革に伴う労働基本権付与の動向をふまえ、闘争の進め方について連携を深め、取り組みについて検討を行う。

  6. 組織化と連動した取り組みの展開

     雇用環境、労働法制の遵守点検など、従来どおり、労働相談ダイヤルを通じた組織拡大の取り組みを展開していくとともに、組合のない職場・非正規労働者に向けた、チラシなどの機材を含め、闘争期間中の計画的な準備・配布に努めていくことについて検討する。

以上

参考資料


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