2006年12月8日掲載
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- 16-1表 標準者賃金分散係数の推移 産業計規模計
解説
- 前項では中途採用者も含めた全体的な賃金の分散(散らばり)がどういう状況にあるのかをみてきたが、賃金センサスでは標準労働者に限定した分散データも集計されているので、そのうちの産業計の男性高卒と男性大卒を例にとって分散の推移をみていくことにする。
- 前項では、賃金ランクごとの人員表からジニ係数を計算する方法をとったが、標準労働者については人員分布表は作成されておらず、分布特性値(第十分位数、第1四分位数、中位数、第3四分位数、第9十分位数)のみ公表されている。したがってジニ係数の方法はとることができないので、十分位分散係数と四分位分散係数を計算してその推移をみる方法をとることにする。
- 十分位分散係数は、「(第1十分位数+第9十分位数)/(中位数×2)」の算式、四分位分散係数は、「(第1四分位数+第3十分位数)/(中位数×2)」で求めており、数値が大きいほど、分散が大きいことを示している。また計算のもとデータとなる各特性値については、賃金センサスで集計されている数字をそのままもってくると年々のバラツキが大きく傾向が読みにくいので、回帰分析(所定内賃金=定数+勤続年数×係数)を行った後、それによって求められる推計特性値をもちいている。
- 男性高卒と男性大卒の標準労働者について、1985年から2005年まで20年間の分散係数の推移をまとめたのが、16-1表と16-2表である。16-1表は規模計、16-2表は「1000人以上規模」についてであり、それぞれ25歳から55歳の6ポイントの計算をおこなっている。
- 16-1図は男性高卒、16-2図は男性大卒について、規模計の十分位分散係数の推移を追ったものである。ふたつのグラフの様相は明らかに異なっている。16-1図の高卒では、全体的に右下がり傾向、つまり分散が縮小する方向に向かっているのに対し、16-2図の大卒では全体的に右上がり傾向、つまり分散が拡大する方向に向かっている。高卒では格差縮小、大卒では格差拡大がこの間のトレンドといえそうである。
- ただし高卒でも、2004年から分散拡大に転じているかのようである。2005年については、調査方法改定の影響もあると思われるので、構造的な転換点を迎えたのかどうかについては、現時点では判断を保留したい。


- 16-3図と16-4図は、四分位係数の推移をみたものである。係数の値は十分位係数と比べて当然小さくなっているが、トレンドは十分位係数と同じで、大卒については拡大、高卒については縮小である。


- 16-5図と16-6図は、「1000人以上規模」についてみたものである。大卒については、規模計でみたのと同様の分散拡大傾向、高卒についてはトレンドが読みにくいが、分散縮小ないしは持ち合いの傾向を指摘することができる。

