WEEKLYれんごう(通巻693号)

二極化の流れに歯止めをかけ、全体の底上げをはかろう

●2006春季生活闘争中央討論集会開催
 11月1‐2日 2006春季生活闘争中央討論集会を千葉県浦安で開催した。全国から500人が参加し、2006春季生活闘に向けた基本構想を論議した。1日目は全体会議、2日目は「賃金カーブの確保と賃金改善、格差是正」「男女賃金格差の是正、パート・派遣労働者等の待遇改善、企業内最低賃金協定」「ワークルールの確立‐法令や労働協約を守る取り組み」の3分科会で討議。
 討議を踏まえた内容は、11月30日の第46回中央委員会に「闘争方針」として提案される。


基本構想を古賀事務局長が提案
基本構想を古賀事務局長が提案
 高木会長は、取り巻く情勢について、産業、企業は総じて急速に回復している一方、マクロで労働分配率が低下し、可処分所得が低下していると指摘。労働者家計の疲弊と企業体力回復のアンバランス調整が課題であり、定率減税削減などによる、可処分所得の目減りをなくすため「月例賃金を重視し、会社側に賃金カーブ維持をした上で、真水(賃金改善)の要求を」と訴えた。更に、中小企業の労働条件格差是正、パート・派遣労働者などの処遇、時間給の改善、政策制度課題である税制、組織率などの課題を提起した。特に、パート・派遣労働者などの処遇改善については「労働条件の交渉に携わる労働組合委員は、公正代表義務を負っている。同じ職場で働く人は、組合員であるなしに関わらず、それぞれの利益を公正に代表すべき」と訴え、「春季生活闘争に向けて、精一杯がんばろう」と力強くあいさつを締めくくった。
 連合総研・中名生所長の「日本経済の現状と課題」、法政大学大学院・小池教授の「競争力を高める人材と春闘」についての講演に続き、古賀事務局長が「基本構想」を提案。
会場からは、賃金の課題について、参考目標値だけでなく、具体的な数字を示して欲しいという意見に対し、要求基準は産別が実態を見て決めるべきとの意見も出された。また、大増税阻止の取り組み強化、パート共闘の取り組み方などについて意見が出された。
 まとめで古賀事務局長は、「長年議論してきて結着がついていない課題がいつくかあるが、この討論集会で、真水、賃金改善に取り組む最初の意思統一を」と強く訴えた。


2005連合女性集会を開催

●間接差別の禁止! つくろう「男女雇用平等法」!
 10月27日 日比谷公会堂にて、2005連合中央女性集会を開催し、構成組織、地方連合会から1,127人(女性768人、男性359人)が参加した。「間接差別の禁止等を盛り込んだ男女雇用平等法をつくろう!」をメインテーマに、パネル討論や参加者との活発な意見交換が繰り広げられた。

主催者を代表して植本副会長があいさつ(10月27日・日比谷公会堂)
主催者を代表して植本副会長があいさつ(10月27日・日比谷公会堂)
奥山成城大教授、中島弁護士、吉宮前総合男女平等局長が参加したパネル討論では、会場の参加者を巻き込んで活発な議論が交わされた(10月27日・日比谷公会堂)
奥山成城大教授、中島弁護士、吉宮前総合男女平等局長が参加したパネル討論では、会場の参加者を巻き込んで活発な議論が交わされた(10月27日・日比谷公会堂)
 植本眞砂子副会長は、「年末に向けて大詰を迎える均等法改正の論議では、パート、有期契約、派遣労働者の仲間とともに、同一価値労働同一賃金、均等待遇の実現をめざし、改正内容の充実に取り組む」と挨拶した。
 基調提起の山口洋子副事務局長は、「均等法改正から約10年。女性をとりまく環境に改善はなく、男女間の賃金格差はむしろ拡大し、国連からは、間接差別是正の勧告を受けている。連合は今回の均等法改正で、男女双方に対する性差別の禁止など8項目の改正要求を掲げているが、審議会では意見の一致に至っていない。これから12月の建議のとりまとめに向けて運動を強化するが、職場でも均等法関連の課題に取り組み、大きなうねりをつくりだしてほしい」と呼びかけた。
 引き続き、「つくろう!男女雇用平等法」をテーマに、竹信三恵子さん(朝日新聞記者・コーディネーター)、奥山明良さん(成城大教授)、中島通子さん(弁護士)、吉宮聰悟さん(前連合総合男女平等局長)が参加してパネル討論を行った。討論では、間接差別の定義と具体的課題、妊娠・出産による「能率低下」の考え方や、それを理由とした不利益取扱の禁止などについて、会場の参加者を巻き込んだ活発な議論が交わされた。
 まとめに、男女雇用機会均等法の抜本改正、男女間の賃金格差の是正、パート・派遣・契約労働者の均等待遇法制化などを求めるアピールを採択した。


2005連合中央女性集会アピール
 私たちは、本日開催した2005連合中央女性集会において、「間接差別の禁止等を盛り込んだ男女雇用平等法をつくろう!」をメインテーマとして、討議・交流を行いました。

 私たちはこの集会を通じて、以下の課題を改めて再確認します。

 第1は、私たちが職場における男女間賃金格差や配置の偏りなどの実態を把握し、その要因を分析して課題を明確にするための活動に、一人ひとりが参画するとともに、格差の是正や昇進・昇格の基準の明確化、仕事の与え方の点検・見直しに向けた計画を立案・実行する取り組みを展開するなど、職場での取り組みをさらに強めていくことです。

 第2は、今こそ、雇用の分野における男女平等を実現させるため、
[1]男女双方に対する性差別を禁止する
[2]法の理念に「仕事と生活の調和」を明記する
[3]間接差別を禁止して差別の立証責任を事業主に課す
[4]妊娠・出産を理由とした不利益取り扱いを禁止する
[5]セクシュアル・ハラスメント防止と事後の適正措置を事業主に義務付ける
[6]ポジティブ・アクション「実行計画」の策定・実行及び結果の公表を事業主に義務付ける
[7]政府から独立した差別救済機関を都道府県単位で設置し、救済を申し立てたことを理由とした不利益取り扱いを禁止する
などの、男女雇用機会均等法の抜本改正が不可欠であることです。

 第3は、国連など国際機関からも指摘されているように、同一価値労働・同一賃金の考え方による[1]男女間の賃金格差の是正、[2]パート・派遣・契約労働者の均等待遇法制化、が求められていることです。

 第4は、仕事と生活の調和を進めるため、今年4月から施行された改正育児・介護休業法を職場で周知・徹底するとともに、次世代育成支援対策推進法に基づく職場・地域の行動計画を作り、実行することで、長時間労働と働き方を見直すことです。

 ICFTU(国際自由労連)の掲げている「女性のための労働組合、労働組合のための女性」というスローガンにもあるとおり、女性の労働組合への参画は、女性にとっても組合や社会にとっても有効であり、世界で求められています。この取り組みはディーセント・ワーク(人間らしい尊厳ある労働)の実現への道につながります。
 その道を拓くのは、社会の構成員の過半数を占める雇用の分野での取り組みであり、連合はその役割を自覚して運動を進めなければなりません。

 これからの1年間は、男女雇用機会均等法の抜本改正による真の「男女雇用平等法」の実現に向けて、職場や地域で大きなうねりを生み出すため全力を挙げましょう。


2005年10月27日
2005連合中央女性集会



「なくせ!男女差別、つくろう!男女雇用平等法」

●全国フォーラムが発足
職場、地域、NPOなどの代表が男女差別改善の必要性を訴えた(10月27日・日比谷公会堂)
職場、地域、NPOなどの代表が男女差別改善の必要性を訴えた(10月27日・日比谷公会堂)
華やかなパレードは、道行く人の注目を集めた(10月27日・東京駅付近)
華やかなパレードは、道行く人の注目を集めた(10月27日・東京駅付近)
 10月27日 日比谷公会堂で、なくせ!男女差別、つくろう!男女雇用平等法・全国フォーラム発足のつどいが開催された。
 発足のつどいは、呼びかけ人である山田省三中央大学法科大学院教授が代表挨拶に立ち、「男女の平等は、女性が過労死するほど働く男性並になるのでなく、仕事と生活が調和した平等でなければならない。今日のつどいを真の男女平等の確立に向けた運動の第一歩としたい」と挨拶した。
続いて、職場、地域、NPOそれぞれの立場からアピールを行ったのち、フォーラム発足宣言を採択し、銀座・東京駅方面にパレードを行った。パレードは、スローガンの入った風船を手にした参加者を、音楽とともにメッセージを訴えるDJカーが先導し、道行く人の注目を集めた。
全国フォーラムは、来年の通常国会への改正法案の提出が見込まれている男女雇用機会均等法の見直しに対して、男女双方に対する差別の禁止やすべての労働条件についての差別禁止など8項目の改正要求を掲げ、同法を改正して「男女雇用平等法」を制定することを目的に、山田省三教授、中島通子弁護士、相澤美智子一橋大学専任講師らが呼びかけ人となって発足した。連合からは、古賀事務局長が呼びかけ人となっている。


全国フォーラム 発足宣言

 1985年に男女雇用機会均等法が成立して20年、1997年に同法が改正されて8年が経過していますが、女性の賃金は男性の66.8%であり、改正均等法が施行された1999年と比較しても、わずか2.2ポイントの上昇にとどまっています(パートタイマーは43.8%)。また、日本政府に対する、ILOや国連女性差別撤廃委員会の勧告を見るまでもなく、日本には賃金格差をはじめとする職場における様々な男女差別が存在していますが、その原因として、間接差別や「コース別雇用管理」などが指摘されています。

 1997年男女雇用機会均等法改正時の国会付帯決議においても、同法を適切な時期に見直すこととされ、現在見直しを検討している厚生労働省労働政策審議会雇用均等分科会で法改正の必要性が建議されれば、同法改正法案が2006年の通常国会に提案されることになっています。

 1997年の同法改正においては、男女双方に対する差別の禁止や、間接差別に関する規定が設けられておらず、依然として男女雇用機会均等法は多くの課題を残すものでありました。このため、[1]男女双方に対する差別を禁止すること、[2]仕事の与え方を含め、すべての労働条件についての差別を禁止すること、[3]性に中立的な基準であっても、実質的な差別である間接差別を明文で禁止すること、[4]妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いを禁止すること、[5]使用者による積極的な差別是正措置であるポジティブ・アクションの措置を事業主の義務とすること、[1]セクシュアル・ハラスメントの予防措置と事後の適正対応措置に関する義務を事業主に課すこと、[7]差別の温床である、指針における「雇用管理区分」を撤廃すること、[8]政府から独立した実効性のある行政上の救済機関を設置すること、などを定めた男女雇用平等法として、男女雇用機会均等法を改正するよう、私たちはここに要求するものです。

 男女雇用平等法においては、「平等」の意味が改めて問われるべきです。女性が求める平等は、過労死や過労自殺に至る、あるいは家族的責任ができないような働き方をする男性との平等ではありません。このため、男女雇用平等法においても、「仕事と生活との調和」の理念が、法の目的・理念において明文化されるべきものと考えます。

 以上の要求を、労働界にとどまらず、広く国民各層に訴えるため、真の男女雇用平等法制定を目指す「全国フォーラム」を、ここに結成します。皆さんも、一緒に活動していきましょう。


2005年10月27日
「なくせ!男女差別、つくろう!男女雇用平等法」
全国フォーラム 発足のつどい




2005年度連合・愛のカンパ活動

 10月3日 第28回中央執行委員会で、「2005年度連合・愛のカンパ活動展開」、10月21日の第1回中央執行委員会では、および「2004年度連合・愛のカンパ配分」について確認した。愛のカンパは、人道主義の立場から「自由、平等、公正で平和な世界の実現」にむけ、連合組合員が幅広く参加する社会貢献活動として取り組むことを目的に、1989年の連合発足と同時に取り組みをすすめてきた。今年度も10月〜12月までの3カ月間を重点取り組み期間と位置づけて、支援申請の受付は2006年3月1日〜31日までの1カ月間と設定している。
 なお、2004年度は48構成組織、20地方連合会から1億2054万687円のカンパ金が寄せられ、海外や国内で活動しているNPO、NGO団体やと地方や地域で活動しているNPO・NGO団体など115団体に配分することを決めた。


第163回特別国会閉会にあたっての談話



2005年11月1日

第163回特別国会閉会にあたっての談話

日本労働組合総連合会
事務局長 古賀 伸明


  1.  今特別国会は、先の通常国会で否決・廃案となった「郵政民営化関連法案」の再成立をめざす政府・与党により42日間もの会期での開催となった。同法案についての審議は、先の通常国会同様、国民が十分に納得できるものとはならず、強引に法案成立に持ち込んだ政府の姿勢は大変遺憾である。

  2.  連合重点課題に対する国会審議では、労働安全衛生法、労災保険法、労働保険徴収法および時短促進法が改正された。労働安全衛生法等では、月100時間を越える時間外労働を行った者に対する医師の面接指導の義務化など、過重労働・メンタルへルス対策の充実など、十分ではないが一歩前進する改正がされた。時短促進法は、労働者の健康で充実した生活の実現を目的とした「労働時間等設定改善法」との恒久法として改正され、労働時間と労働者の健康対策が結びつけられた意義は大きい。しかしながら、一般労働者についての目標「年間総実労働時間1800時間」を示されなかったのは非常に残念である。

  3.  さらに、再提出のうえ成立した障害者自立支援法については、サービス利用の定率1割負担は来年4月より施行されるが、利用手続きに関する判定や基準づくりなどは、今後の政省令に委ねられているなど課題が多い。一方、与野党合意の下で提案された高齢者虐待防止法は成立した。連合が長年主張してきた虐待防止、高齢者の権利擁護・尊厳の確保という観点から評価したい。

  4.  特別国会は閉会されたが、国民にとって重要な課題である、社会保障制度の抜本改革、パート労働者等の均等待遇法制化などについて、依然十分な論議がなされていない。連合は、引き続き活発かつ透明性の高い国会運営を求めていくとともに、連合が掲げる政策・制度の実現に向けて引き続き取り組みを強化していく。


以 上