連合ニュース 2025年

 
2025年12月01日
「労働時間規制に関する緊急学習会」を実施
 11月27日、連合は「労働時間規制に関する緊急学習会」を対面・オンラインの併用で実施し、約200名が参加しました。
 
 現在、労働政策審議会において「働き方改革関連法」の見直し論議がされている中、総理による厚生労働大臣への労働時間規制に関する検討指示や、裁量労働制の拡大を求める声があることを受け、連合は、労働時間規制の緩和に関する問題点やあるべき労働時間法制などについて共有することを目的に、本学習会を開催しました。
 
冒頭、主催者を代表して芳野会長が「依然として働き方改革の実現には程遠い状況と言わざるをえず、裁量労働制の拡充やデロゲーションの拡大などの声が出ていることに強い違和感を覚える。」と労働時間規制の緩和はあってはならないことを述べました。
 
 続く講演では、嶋﨑量弁護士(神奈川総合法律事務所)から、労働時間規制緩和の問題点と求められる法改正のあり方についてお話しいただきました。「労働時間の上限規制の緩和は働き方改革に逆行するものであり、労働者の命と健康を脅かし、ジェンダー格差を拡大しかねないものである。また、裁量労働制は濫用の実態があり、規制の強化が必要である。」として、労働時間規制強化の必要性について触れていただきました。
 
 次に構成組織からの報告として、情報労連の春川書記長とサービス連合の櫻田会長にお話をいただきました。春川書記長は、「裁量労働制の適正な職場での運用は簡単ではなく、適用される労働者一人一人の働き方を把握することが大切であり、緩和は不要。適正な運用のためには、労働組合のかかわりが非常に重要だ。」と述べられました。櫻田会長は「残業を前提とした働き方は、家族的責任を負っている者の労働参加を阻害する。一層の長時間労働是正の取り組みが必要。」と「働き方改革」のさらなる推進が必要である旨を強調されました。
 
 続いて、冨髙副事務局長から、労政審での議論状況、労働時間や裁量労働制の実態などにつき情勢報告を行いました。「上限規制の段階的・計画的縮減も含め、労働時間規制の堅持と一層の前進、時間外労働せずとも安心して暮らすことができる賃金水準の確保が重要である。今後も構成組織・地方連合会と一致団結して規制緩和は絶対に許さないというスタンスで共に取り組むことが必要だ。」と述べました。
 
 最後に神保事務局長が、「労働時間規制の緩和は断じて許されない。労働組合が率先して働き方改革の定着と前進に向けた法改正の実現に取り組もう。」と呼びかけ、学習会を締めくくりました。
 
 
  • 芳野会長
  • 嶋﨑量弁護士
  • 情報労連 春川書記長
  • サービス連合 櫻田会長
  • 冨髙副事務局長
  • 神保事務局長