中央委員会を開催
連合は12月2日、千葉県浦安市内で第86回中央委員会を開催し、役員・中央委員・傍聴者などあわせて約280名(うちWEB参加者約150名、女性参加者の割合は21.3%)が出席しました。
冒頭挨拶で芳野会長は、まず「ジェンダー主流化」(あらゆる分野で女性の意思決定過程への参加を促進し、その影響評価を行いながら政策などに反映していくこと)の考え方を紹介し、まずは女性が一定割合で意思決定に関わることが当たり前になることで、男女平等参画が組織全体で取り組むべきメインストリームになるような環境づくりを呼びかけました。
続いて、2022春季生活闘争については、先進国の中で低位に置かれ、生産性の伸びにも追いついていない日本の賃金の現状を指摘し、労働者への適正な分配が行われてきたとは言い難い状況を変えるために、まず労働組合が「人への投資」を積極的に求める必要があると訴えました。そして、置かれた状況を踏まえつつ、すべての組合が賃上げに取り組み、それを社会全体に波及していくこと、賃上げ、働き方の改善、コロナ禍からの改善を下支えする政策・制度要求を今次闘争の3本柱として取り組む決意を表明しました。同時に「ガラスの天井」は組織だけでなく賃金にもあり、またジェンダーだけではなく雇用形態にもあるとして、男女間の賃金格差、雇用形態間の賃金格差の是正に力を入れたいと述べ、これらを含め、今次闘争のスローガンである「未来をつくる。みんなでつくる。」を広く発信していくと述べました。
なお政府の「新しい資本主義実現会議」については、委員として、コロナ禍が浮き彫りにした社会の脆弱性の課題を指摘し、雇用と生活の希望につながる基盤づくりにつながる施策の実施を主張していることに触れました。そのうえで、政府の発言だけでは賃金・労働条件の改善は実現せず、働く現場の声を要求としてまとめあげ、労使が真摯な交渉・協議を重ねることの重要性について述べました。
次に、非正規労働をはじめ多様な就労形態の抱える課題について触れ、「コロナ禍の影響は社会的セーフティネットの脆弱性もより浮き彫りになりました。とりわけ、パート・有期・派遣契約、フリーランスなどの形態で働く人、女性、外国人、学生など多くの仲間が困難な状況に立たされていることに触れ、非正規雇用労働、パート労働などの雇用・就労形態で働く人たちの抱える課題やつながりといった取り組みについても進めていく必要があると考えています。それぞれの組合内において、職場にいる非正規雇用、未組織の労働者との対話も進め、その抱える課題を共有し、一つ一つ解決する営みも強化する必要があると考えています。連合は、これからの時代に相応しい「まもる・つなぐ・創り出す」運動を力強く牽引し、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、すべての働く者・生活者の先頭に立ち、社会に広がりのある運動をつくりだしていく所存です。」と述べました。
続いて、国際労働運動について触れ、ミャンマーや香港など、民主主義、労働組合権が危機にさらされている国や地域について、ITUC(国際労働組合総連合)の仲間とともに連帯し、支援を重ねる必要性を訴えるとともに、ILOの中核的労働基準の批准はもとより、わが国自体の民主主義の力を立て直していくことも課題であると述べました。
また、10月31日の衆議院総選挙について、各構成組織・地方連合会の奮闘にあらためて敬意を表したうえで、引き続き与党が国会の圧倒的多数を占める難しい環境下にあっても、組合員や連合に期待する多くの人たちの声をもとに練り上げた政策を実現するために、政治活動の歩みを止めることはできないと述べ、12月6日から開幕する臨時国会や来年夏の参議院選挙に向けた連合の取り組みへの決意を示しました。
【芳野会長挨拶(全文)はこちら】
活動報告では、「一般活動報告」「『2020~2021組織拡大実績』報告」「連合会費の新制度移行に関する組織討議(中間整理)報告」の3つが確認されました。
協議事項では、次の3つの議案が確認されました。
第1号議案:2022春季生活闘争方針(案)
第2号議案:2022~2023年度統制委員会委員の選出について(案)
第3号議案:全銀連合からの連合会費減免申請の取り扱いについて(案)
最後に、川本会長代行の音頭による「がんばろう三唱」をもって、閉会しました。