連合ニュース 2018年

 
2018年04月05日
連合シンポジウム「質の高い公共サービスを維持するために」を開催
-公務・公共サービスの「働き方改革」、女性参画の促進、そのための自律的な労使関係のあり方を議論-
4月4日、東京都内で、「連合シンポジウム『質の高い公共サービスを維持するために』-公務・公共サービスにおける「働き方改革」と労働組合の果たすべき役割-」を開催し、連合構成組織、地方連合会、政府関係者、連合フォーラム議員など、約340名が参加しました。
 
連合は、2015年より、民主的で透明な公務員制度改革を進めるために、公務員の労働基本権回復の必要性を訴えるシンポジウムを開催してきました。今回は、公務職場における「働き方改革」や女性の参画促進の必要性と、その実現のために労働組合が果たすべき役割、質の高い公共サービスに向けた自律的な労使関係のあり方について理解を深めることを目的に開催しました。
 
冒頭、野田三七生・連合副会長(連合政策委員長)が主催者代表挨拶を行い、「働く者のための『働き方改革』に向けた制度設計は、労使協議を踏まえたものでなければならない。公務職場においても、質の高い公共サービスを提供するうえで、労働基本権を確立し、自律的な労使関係のもとで、労使双方が責任をもって課題に対応する枠組みが必要である」などと述べました。
 
続いて、郷野晶子・ILO理事から来賓挨拶をいただきました。郷野理事は「一部の例外を除き公務員の労働基本権は認められるべきというのが基本的・国際的な通念である。しかしアジアではこの点が遅れており、リーダーとして範を示すべき日本でも労働基本権が制約され続けているのは恥ずかしいことである」「日本政府は基本権制約の理由ばかりを積み重ねているが、労働側として、基本権の付与が可能となる方法を訴え、前進をはかる必要がある。本日の機会も活用し、我々もみなさんとともに取り組んでいく」などと述べました。
 
基調講演では、総務省委嘱テレワークマネージャーなどとしても活動する、キャリアシフト(株)代表取締役の森本登志男氏より、佐賀県庁などでのテレワーク推進の取り組み経験を踏まえ、公共サービスへの波及効果など公務職場で「働き方改革」を進めることの意義についてご講演いただきました。
 
また、課題提起として、ILO国際労働基準局次長のカレン・カーチス氏より、公務員の基本的権利に関するILO条約や、結社の自由委員会による勧告の意義、各国における公共サービス改革と労働基本権への影響と課題などについて提起を受けました。
 
その後、全国消防職員協議会の青木玲奈氏、岩手県教職員組合の玉澤聡子氏、日本税関労働組合の井上大志氏、そしてカレン・カーチス氏によるパネルディスカッションを行いました(モデレーター:相原康伸・連合事務局長)。ディスカッションでは、消防、教育、税関の各職場における働き方の現状と抱える課題について報告を受け、公務における女性の活躍が持つ意義や、質の高い公共サービスに向けた自律的労使関係のあり方について討論し、参加者との意見交換を行いました。
 
最後に、相原事務局長がまとめを行いました。相原事務局長は、今年6月のILO総会に向けた対応や自律的労使関係制度の構築にかかわる議員立法の働きかけなど、直近の連合の取り組みについても触れながら、「日本が国際社会から厳しい目で見られている立場にあること、当たり前の権利行使ができないことによる困難さが現場にあること、働く者個人のみならず組織ガバナンスの深化にとっても自律的な労使関係の構築と労働基本権の回復は意義があることなどが共有できた」「この課題は当該組織だけのものではない。私たちが全体としてこの課題を共有し、様々な場面で発信していくことが重要である」などと述べ、シンポジウムを締めくくりました。
  • 郷野晶子 ILO理事
  • 森本登志男 キャリアシフト(株)代表取締役
  • カレン・カーチス ILO国際労働基準局次長
  • パネルディスカッションの様子