連合ニュース 2018年

 
2018年03月16日
全国中央会と連合との懇談会を開催
~ 取引の適正化等に向けて地域での連携促進を確認 ~
共同宣言
 連合は、2018年3月15日、全国中小企業団体中央会(以降、全国中央会)との懇談会を開催し、「春季生活闘争」「下請取引等取引環境」「人材の確保・育成・定着」について意見交換を行いました。
 
 冒頭、連合の神津会長は「連合は、メンバーの組合員のみならず、全ての働く人のために雇用と暮らしを守る取り組みを進めています。その意味においても、本懇談会の場において、お互いの課題認識を共有し、その解決に向けた連携を深め、それを発信していくことは非常に重要であると考えています。昨日は春季生活闘争における最初のヤマ場でしたが、回答状況は昨年を上回る水準の基調となっており、今後本格化する中小組合はもとより少しでも世の中全体へ広がることを期待したいと思います。数字に注目が集まりがちで、依然としてトリクルダウン的発想が世の中全体に染み付いていることを懸念しています。連合では、賃金格差の是正のために2016年より『底上げ』の旗を掲げてきており、昨年は賃上げ率において中小が大手を上回る結果を残すことが出来ました。この流れを今年さらに強め深堀りしていきたいと考えています。そして、今年の春季生活闘争は『働き方改革』も主要なテーマだと考えています。職場の実態を見極め改善を進めるのは、職場を熟知した労使こそができるのであり、個々の取り組みで努力を重ねてまいります。そして、その内容と集積をアピールすることによって、具体的な労使関係が持つ機能の重要性を改めて社会へ発信していきたいと考えています。全国中央会と連合との間には、中小企業の発展とそこで働く人たちの労働条件の向上に向けて、取引慣行の是正をはじめ、共通して取り組めるテーマが数多くあると思います。私たち連合の運動は、言うならば、ないものねだりをする運動ではありません。ともに課題解決をはかってまいりたいと思います。政策面における連携を深めつつ、それぞれの地方においてもより具体的な連携を深めていきたいと思っており、昨年締結した共同宣言の内容にもとづき、今後お互いに定期的にフォローアップしてまいりたいと思います」とあいさつしました。
 
 全国中央会の大村会長は、「我が国経済は、政府の発表では、経済指標は上向き、緩やかな回復基調が長く続いていますが、全国中央会が毎月実施している景況調査では、消費が低迷するなど、中小企業・小規模事業者が景気回復を実感する状況には至っていません。親企業からの一方的かつルーチン的な単価引き下げは止めてもらわねばなりません。大企業の内部留保が中小企業・小規模事業者にも還元され、賃上げや新たな設備投資に結びつけていく好循環が重要と考えております。全国中央会と都道府県中央会では、平成30年度の中央会の共通した基本活動方針として、5項目の重点方針を取り決めました。1点目は、中小企業組合の今日的意義の明確化、2点目は、事業承継の集中的な支援、3点目は、働き方改革への対応、4点目は、生産性の向上と取引環境の改善、5点目は、被災地支援と地方創生への取組拡大です。中小企業と大手企業の格差拡大が言われていますが、従業員の賃金を引き上げ、豊かで実りある生活を提供することは、中小企業・小規模企業者が元気になってこそ実現されるものであると認識しております。本日の労使双方による懇談が、前向きな賃上げを実施していくための一助にしてまいりたいと思います」とあいさつしました。
 
 意見交換の中では、全国中央会からは「取引力の強化に向けた取り組み」や中小企業における増収減益の景気動向、印刷業界や石油販売業界の実態などが報告されました。連合からは、構成組織の取り組みとして、「製品の価値(公正取引)と労働の価値(賃金水準)を適切に評価し、お互いに価値を認め合う社会」の実現に向けた取り組みや、長時間労働や人材不足の実態、消費者からの悪質クレームや中小企業の定義に関する課題認識、付加価値を産業のバリューチェーンに循環させる取り組みなどを報告し、全体を通じて労働条件の改善に向けて取引慣行の適正化が重要であることの認識を共有しました。
 
 まとめにおいて、大村会長は「生産労働人口の減少や国際競争の激化等、中小企業を取り巻く環境はますます厳しくなっています。大企業との賃金格差是正は、『成長と分配の好循環』の確立をはかることなくして、中小企業の収益が改善することは困難であることを改めて実感しました。地域のくらしを支えているのは、中小企業とそこで働く従業員やその家族です。そのために、連合においても大企業に対する取引改善に向けた働きかけについて、今後ともご支援ご尽力いただきますようお願いします。本日の懇談については各ブロック中央会の会長会議などの場で報告し、共同宣言にもとづいて地域レベルにおいても同様に意見交換できるよう働きかけていきます」と述べました。
 
 これを受けて神津会長は「働く者の幸せと中小企業の発展に向けた取り組みを両輪で進めていくことが必要です。取り巻く課題は多い中、今後とも地域、実務レベルを含め連携を深めさせていただきたい」と締めくくりました。
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