連合ニュース 2018年

 
2018年01月18日
「2018 連合税制フォーラム」を開催

 連合は、1月17日、「2018 連合税制フォーラム」を開催しました。構成組織・地方連合会の政策担当者など約150人が集い、第196通常国会で審議される税制改正関連法案や今後の抜本的な税制改革に向けた論点について相互理解を深めました。
 
 冒頭、主催者代表挨拶として野田副会長が、所得再分配機能の強化、社会保障制度の維持・強化に向けた安定財源の確保に資する抜本的な税制改革が求められているにも関わらず、来週22日から始まる通常国会で審議される税制改正関連法案は、改革の全体像が示されていない小手先の弥縫策であることを指摘し、「『公平・納得・連帯』の税制改革」の実現に向けて、これまでの税制改正の問題点、あるいは今後の抜本的な税制改革に向けた論点や考え方について、参加者に対して本フォーラムでの積極的な討議を呼びかけました。

 基調講演では、中央大学法科大学院の森信教授より、将来不安からくる消費の低迷、期待成長率の低下、格差・貧困問題の深刻化による中間層の二極化など、わが国経済社会の現状の認識について指摘がなされました。そして、様々なデータを用い、税と社会保障の一体改革の必要性、再分配のあるべき姿、軽減税率の問題、ICT等の活用による所得捕捉の改善の重要性について提言がなされました。

 パネルディスカッションでは、はじめに、関西学院大学の上村教授より、人口減少などの構造変化を踏まえ、所得再分配機能の強化と財源調達機能の強化に向けた今後の改革に向けた視点についてプレゼンテーションをいただきました。その中で、安倍政権における消費税率の引き上げ延期は問題であること、使途変更については国会での議論が十分にされていないことに加え、公平性の観点から、まずは幼児教育・保育料の無償化よりも待機児童対策を優先すべきであること、基礎的財政収支の黒字化目標の先送りは将来世代の負担増につながり好ましくないこと、財政健全化を達成するためには歳出削減と増税を組み合わせる必要があるなどの指摘がなされました。
 その後、今後の税制改正の論点について議論が行われました。所得税については、所得再分配機能の強化に向けた控除・税率構造の在り方、所得計算上の控除の見直しについて議論がなされ、給与所得控除の見直しについて、事業所得と給与所得の担税力の違いも考慮したうえで検討が進められるべきなどの指摘がなされました。また、課税の公平性の問題点、ICTやマイナポータルを活用した所得捕捉の徹底を進める必要性、プライバシーの保護を考慮した申告納税と年末調整のあり方について提言がなされました。消費税については、軽減税率の撤回に向けた世論形成の必要性と課題について議論しました。法人税については、税率の引き下げや所得拡大促進税制について、景気が上向きな時にこそ税収を財政再建に使うべきとの指摘がありました。また、賃上げの重要性を踏まえ、労使交渉において、賃上げによる中間層の復活と消費の促進が日本の経済成長や財政再建につながることを、労働者として粘り強く訴えるべきとの提言がなされました。

 最後に、南部副事務局長より、「働くことを軸とする安心社会」実現のためにも税制改革と歳出構造改革の双方が重要であること、税による所得再分配機能を強化するためには、所得税や資産課税を含め、税制全体を視野に入れた改革が求められること、通常国会での対応や連合の「税制改革基本大綱」の改訂など、今後の取り組みに向けた決意を込めたまとめを行い、閉会しました。

以上

  • 主催者代表挨拶(野田副会長)
  • 情勢報告(川島総合局長)
  • 基調講演(森信茂樹 中央大学法科大学院教授)
  • プレゼンテーション(上村敏之 関西学院大学経済学部教授)
  • パネルディスカッション
  • まとめ(南部副事務局長)