連合ニュース 2017年

 
2017年09月27日
2017平和行動in広島
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で 核兵器廃絶と恒久平和の実現を~
2017平和ヒロシマ集会
 連合は平和で安定した社会の実現を目指し、結成当初から平和運動に取り組んでいます。本年は「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で 核兵器廃絶と恒久平和の実現を」をテーマとし、8月5日から6日にかけて「2017平和行動in広島」を実施しました。
 




1日目 

【ピースウォーク】
 集会の開催に先駆け、広島平和記念公園にて「ピースウォーク」を実施し、全国から550人が参加しました。連合広島の青年委員会・女性委員会による「ピースガイド」に案内役を務めていただき、原爆ドームをはじめとする公園内の慰霊碑等を回りながら由来や歴史について学習しました。
 また、会場受付周辺では原爆パネル展を併設し、ピースウォーク参加者以外にも多くの方にご覧いただきました。
 
【被爆路面電車乗車学習会】
 被爆後も広島の町を走り続ける2両の被爆路面電車に乗り、車窓から被爆建物を見学する「被爆路面電車乗車学習会」を実施し、71名が参加しました。「ピースガイド」による証言を聞きながら原爆の脅威や悲惨さ、歴史を学習しました。
 
【連合2017平和ヒロシマ集会】
 広島市内の「上野学園ホール」にて、原水禁、KAKKINとの共催による「連合2017平和ヒロシマ集会」を開催し、全国から2,315名が参加しました。本年も広島県、広島市、平和首長会議や全国のNGOをはじめ、多くの団体からご後援をいただきました。
 
開会挨拶
 久光博智 連合広島会長より、世論喚起と次世代へ継承するための運動を強化していくことが述べられました。
 
〈要旨〉
 私たちは無差別で尊い命を一瞬にして奪い、72年たった今も後遺症の苦しみや不安を与え続ける非人道的な核兵器の脅威にさらされ続けている。昨年、オバマ大統領が米国の現職大統領として初めて広島を訪れ、本年7月には、史上初めて核兵器禁止条約が国連本部に於いて採択され、核兵器廃絶への強い意志が示された。しかし、日本政府は、これに反対をしている。この政府の対応に対して、被爆者のみなさんは、唯一の戦争被爆国として速やかに核兵器禁止条約に署名、批准をし、核兵器のない世界を作る先頭に立つよう強く求めている。私たち、連合、連合広島としても人類の悲願を前に進める、歴史的な役割と責任を果たすことを強く訴えていく。核兵器が存在する限り、三度、使用されかねない。私たちは広島、長崎の被爆者のみなさんと手を携え、国内外に核兵器の廃絶の世論を喚起していくとともに、被爆の実相を確実に次世代に継承していく運動を継続強化していく。世界を見渡せば、武力紛争やテロは絶えることなく、罪なき市民や子どもたちが命を奪われ、自国主義が広がる国際情勢など、平和で安心な暮らしが脅かされている。本集会においては、核兵器の廃絶と、世界の恒久平和の実現にむけて私たち一人一人が職場地域でできることやるべきことを共に考え労働する、その一歩を踏み出すことを誓い合おう。
 
主催者代表挨拶
 逢見直人 連合事務局長より、世論喚起に向けて参加者が全国で運動を展開するよう訴えるとともに、北朝鮮情勢についても触れ、対話による平和へ外交努力と核兵器禁止条約に批准するよう、政府に対し求めていくことが述べられました。
 
〈要旨〉
 連合はすべての核兵器の廃絶を求める立場から、「核兵器禁止条約」の採択を歓迎する。しかし、日本政府は交渉会議にも参加せず、条約の制定に反対している。政府には、核兵器保有国と非保有国との橋渡し役としての責任を果たすべく、勇気を持って条約の批准を進めるとともに、速やかな発効に向け、各国に働きかけることを強く要請する。
 また、北朝鮮が昨年から今年にかけて核実験や弾道ミサイルの発射実験を繰り返している。連合は北朝鮮に対し、核実験や弾道ミサイル計画に関するすべての行動の停止と、国連安全保障理事会決議の完全履行を強く求めるとともに、日本政府と国際社会に対し、一刻も早く北朝鮮との直接対話による危機回避の道を開くよう外交努力を要請する。
 そして、2020年までに全廃を目指す「2020ビジョン」を推進するため、「平和首長会議」をはじめ、原水禁、KAKKIN、そしてITUCともさらに連携を深め、核兵器の悲惨さと非人道性を広く世界の仲間に伝え続けていく。
 本行動は次世代への継承がテーマでもある。皆さんが学び感じたことを地域や職場に持ち帰り、必ず運動として展開してほしい。「核兵器廃絶」と「恒久平和の実現」へ気持ちを一つにして、ともに頑張ろう。
 
来賓挨拶
 広島県から中下善昭 副知事によるご挨拶、広島市から谷史郎 副市長よりご挨拶と市長のメッセージを代読いただきました。
 
〈中下善昭 広島県副知事あいさつ要旨〉
 未曾有の惨禍を体験したヒロシマにとって、核兵器のない、平和な国際社会の実現は長年にわたり切望してきた大きな願いである。今年採択された、核兵器禁止条約の前文には、被爆者の耐え難い苦しみと被害に留意するとの記述も含まれており、同じ思いを誰にもさせたくないと核兵器廃絶を訴えてこられた、被爆者をはじめとする関係者のみなさんの努力に心からの敬意を表す。本県としては、各国の政治指導者をはじめとする各界の指導者に被爆地訪問をよびかけると共に、国際平和拠点としての発進力を高め、核兵器のない平和な世界の実現に具体的に貢献していきたいと考えている。このため、本年5月には、知事が自ら欧州を訪問し、NPT運用検討会議第1回準備委員会に合わせて、県主催のシンポジウムを開催し、広島の取り組みを発信したほか、バチカンを訪問し、ローマ法王に広島訪問を要請した。また、本県の平和に関する研究機能の強化を図るため、国連軍縮研究所、オスロ軍縮研究所、ストックホルム国際平和研究所という世界の有力な3つの研究機関と連携協定を締結した。今後、3つの連携期間と連携を深めると共に、広島側の研究体制の強化にも取り組んでいきたい。
 
〈広島市長メッセージ要旨〉
 筆舌に尽くしがたい経験を経た被爆者は怒りや憎しみを乗り越え、苦しみ悲しみながらも、こんな思いを他の誰にもさせてはならない、と未来志向で核兵器廃絶を訴えてきた。私たちは被爆者の平和を願う切なる思いを受け止め、人種、宗教、言語などの多様な価値観を認め合いながら共にいきる努力を重ねなければならない。今後は、できるだけ多くの国が核兵器廃絶こそ今後のあるべき姿だと認識を共有し、採択された核兵器禁止条約の締結を促進していくことが重要になる。そして、交渉に参加しなかった国々には、条約を締結した国々と同じテーブルにつき、この条約の法的実効性を高めるための取り組みを実行することが求められる。そのため、私が会長を務める平和首長会議も162カ国、地域の7400を超える加盟都市のネットワークを活用して、各国の犠牲者が核兵器廃絶に向けて果敢なリーダーシップを発揮し、建設的且つ前向きな議論に参加するよう世界の多様なパートナーとともに働きかけていく。
 
海外来賓挨拶
 ITUC(国際労働組合総連合)からヤープ・ヴィーネン書記次長に来日いただき、メッセージをいただきました。
 
〈要旨〉
 連合は様々な取り組みにおいて世界でも主導的な役割を担っているが、とりわけ本行動をはじめとする核兵器廃絶への取り組みでは、世界に対してリーダーシップを発揮している。連合の存在は世界の友好組織に勇気を与えている。
 本行動には被爆者をはじめとする高齢な方々に加えて、若い世代も多く参加しており、核兵器廃絶と平和への願いがこれまで以上に人々の心に根付いていると感じている。
 被爆者の方が実体験に基づいて発言することは、核兵器廃絶へ向けた最も説得力のある取り組みである。同じ思いを誰にもさせたくないと自身の悲惨な体験を共有し、核兵器廃絶を訴えてこられた被爆者をはじめとする関係者のみなさんの努力に心からの敬意を表す。しかし残念なことに今日でも多数の核兵器が現存し、保有国による他国への恫喝手段として用いられ、危険を呈している。もう二度と悲劇を起こしてはならない。
 戦争の犠牲者をはじめ、平和に暮らしたいと切に願う人々のため、ITUCの1億8000万人の仲間と、核兵器廃絶のためにともに戦い続けよう。
 
被爆体験証言
 広島県原爆被害者団体協議会(広島被団協)の廣中正樹さんより、写真や自身が描いた絵を用いながら悲痛な被爆体験と核兵器廃絶への思いを伝えていただきました。
 廣中さんが被爆したのは5才10ヶ月、当時小さいながらに感じた苦しみや悲しみ、被爆から70年経っても消えることのない心の傷、家族への思い、命に対する考え方、そしてその体験は当時の広島市民35万人のうちの一つであり、それぞれに同じような苦しみ悲しみがあることを伝えられました。結びに、各国に様々な事情があるだろうが、絶対に核兵器や武力にたよらず、とことん話し合って解決してほしい、平和な世界を目指し協力し合おうと参加者に訴えました。
 
若者からのメッセージ(高校生平和大使による活動報告、メッセージ)
 高校生平和大使は、1998年に核兵器の惨禍を知る広島・長崎の声を世界に届ける為に未来を担う若者を国連に派遣したのが始まりです。全国から選ばれた平和大使は毎年国連を訪問し、核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴えています。また、UNIグローバルユニオンや世界YWCA、他国の高校生とも交流を続け、広島・長崎をはじめとする日本の市民の声を世界に届けています。
 本集会では第19代高校生平和大使を代表し広島の高校生3名が、これまでの活動を報告しました。報告のなかで、平和大使の活動が日本のみならず各地で認められている一方、核兵器廃絶は時期尚早とする日本政府とは立場が異なることが述べられました。
 第20代高校生平和大使を代表し、広島の高校生3名がそれぞれの平和活動への思いと意気込みを述べました。
 
第19代高校生平和大使 吉田菜々子さん   第20代高校生平和大使 久永 風音さん
第19代高校生平和大使 伊藤 美波さん   第20代高校生平和大使 舟井木奈美さん
第19代高校生平和大使 岡田 実優さん   第20代高校生平和大使 小林 美晴さん
 
ピースメッセージ・フラッグリレー
 久光博智 連合広島会長より宮﨑辰弥 連合長崎事務局長へ連合ピースフラッグが手渡され、平和運動への決意が述べられました。
 
〈宮﨑辰弥 連合長崎事務局長あいさつ要旨〉
 自分の周りの人たちを思い返すと、一人一人に命があり人生があることを実感する。その一人一人の命を核兵器は一瞬で奪い、また亡くなるまで多くの苦しみ悲しみがある。核兵器をなくさない限り、いつ誰がそのボタンを押してしまうかもしれない。世の中から核兵器を廃絶するために、連合長崎も皆と一緒に最後まで活動していく、共にがんばろう。
 
平和アピール
 石黒ひかり 連合広島女性委員会委員長によるアピールが行われ、満場一致で採択されました。
 
合唱「原爆を許すまじ」
 原爆がもたらした悲惨さを歌った唱歌「原爆を許すまじ」を連合広島青年・女性委員会に合わせて会場全体で合唱しました。
 
【連合「原爆死没者慰霊式」】
 集会終了後、原爆の犠牲となった多くの方を悼み、原爆ドーム前にて慰霊式を実施しました。慰霊式では、全地方連合会からの献水と1,493名の参加者一人ひとりによる献花を行い、亡くなられた方々のご冥福をお祈りしました。
 
【市長との意見交換】
  松井一實 広島市長と連合、ITUCによる核兵器廃絶に向けた取り組みなどについて意見交換を実施しました。市長との意見交換後、連合本部、連合広島、ITUCは、原爆死没者慰霊碑へ献花を行い、戦争で亡くなられた方々への慰霊と平和への祈りを捧げました。
 
2日目
 
【平和記念式(広島市主催)】
 広島市平和記念公園では、原爆死没者の遺族をはじめ、多数の市民らが参加し原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)前にて平和記念式典が開催されました。原爆の投下された8時15分には平和の鐘やサイレンを鳴らし、原爆死没者に哀悼の意を表し、あわせて恒久平和の実現を祈りながら1分間の黙とうを行いました。
 
 
【「長崎平和の鐘」打鐘式(連合主催)】
 原爆投下より50年目の1995年に連合長崎より送られた「長崎平和の鐘」は、広島市立大学構内に設置されています。連合本部・PAT・連合広島・連合長崎キャラバン隊らが原爆の投下された8時15分に打鐘と黙祷を捧げました。
 
  • ピースウォーク
  • 被爆路面電車乗車学習会
  • 久光博智 連合広島会長
  • 逢見直人 連合事務局長
  • 中下善昭 副知事
  • 谷史郎 副市長
  • ヤープ・ヴィーネン書記次長
  • 被爆者証言 廣中正樹さん
  • 高校生平和大使
  • ピースフラッグリレー
  • 宮﨑辰弥 連合長崎事務局長とキャラバン隊
  • 石黒ひかり 連合広島女性委員会委員長
  • 慰霊式での献水
  • 松井一實 広島市長を訪問