事務局長談話

 
2016年05月27日
G7伊勢志摩サミットの閉幕にあたっての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 逢見 直人

  1. 本日、G7伊勢志摩サミットが閉幕した。地球規模の経済および政治的な主要議題に対処するため開催され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(2030アジェンダ)および、気候変動に関する「パリ協定」という二つの歴史的な合意を受けて開催されるはじめての首脳会談であり、これらの合意を受けて、包摂的な成長の実現に向けた、今後の国際社会の進むべき道筋を確認したことを評価する。

  2. 本サミットに先立ち国際労働運動は、4月7日に連合のイニシアティブにより東京でG7レーバーサミットを開催し、「不平等の是正」「ディーセント・ワークの創出」「ジェンダー平等」「雇用を中心とした循環型社会への移行」を柱とする「労働組合声明」を取りまとめた。同日には安倍総理との協議を行い、長期的な包摂的成長と持続可能な開発に向けた目標を達成するための具体的な政策措置をとるよう要請した。

  3. 首脳宣言では、「成長が、包摂的で、多くの雇用を伴い、かつ我々の社会の全ての層の利益になることを確保することに引き続きコミット」することを確認し、女性、若者および高齢者による労働市場参加の推進、雇用の機会と質の改善、雇用創出を強化するための財政戦略、ジェンダー平等、サプライ・チェーンにおける労働基準の適用促進、今年中のパリ協定の発効と今世紀半ばの温室効果ガス低排出型発展のための長期戦略の策定、貧困撲滅に向けた「2030アジェンダ」の実施などを優先政策課題として挙げている。連合は、G7の首脳が、2008年以降のグローバルレベルでの政策転換の方向性を維持し、世界共通の目標である誰をも排除しない持続可能な成長、いわゆる「包摂的な成長」を経済運営の基本原則とする旨を再確認していることを歓迎する。

  4. 今後重要なことは、G7各国が、具体的な国内政策を通じて真摯に課題解決に取り組むことである。連合は、国際労働組合総連合(ITUC)、OECD労働組合諮問委員会(TUAC)、そして各国ナショナルセンターと連携し、すべての人々へのディーセント・ワークの保障、連合がめざす「働くことを軸とする安心社会」に資する政策の実現に向けて、引き続き政府間会合や国際機関に対する取り組みを強化する。


以上