事務局長談話

 
2015年08月07日
厚生労働省「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」報告書に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1. 8月7日、厚生労働省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」(座長:佐藤 博樹 中央大学大学院教授)は、育児・介護休業法の見直しに向けた検討結果について報告書をとりまとめた。介護や育児で離職を余儀なくされている実態に対応するため、介護休業制度や育児休業制度の取得要件緩和などが提起されている。一定の前進はみられるものの抜本的な解決には不十分である。

  2. 報告書では、介護休業制度の分割取得を可能とすることや、所定労働時間の短縮措置等について介護休業で認められている93日間の期間上限を切り離すことを検討すべきとの考えが示されており、一定の評価ができる。しかし一方で、介護休業制度の期間については、現行の93日間を延長することにきわめて慎重な考えを示しており、介護離職を防ぐためのセーフティネットの拡充策としては課題の残る内容となっている。

  3. 育児に関しては、非正規雇用労働者の育児休業取得率の低さなどの実態を踏まえ、「雇用の継続を前提とした上で、紛争防止等の観点から、適用範囲が明確となるよう取得要件の見直しを検討すべき」との考えが示された。雇用形態に関わらず就業の意思がある労働者が就業継続できるための制度にむけて早急に見直しを行う必要がある。

  4. この報告書を踏まえ今後、労働政策審議会において育児・介護休業法の改正に向けた論議が開始される予定である。連合は、男女がともに仕事と生活を調和できる環境を実現するため、実効性ある法改正が行われるよう、労働政策審議会での対応を含め取り組みを進めていく。


以上