事務局長談話

 
2013年12月06日
「生活困窮者自立支援法案」、「生活保護法の一部改正案」の成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1.  12月6日、衆議院本会議において、第183通常国会で廃案となった「生活困窮者自立支援法案」と「生活保護法の一部改正案」が可決、成立した。生活保護制度の見直しとともに、生活保護受給に至る前に就労等の支援を早期に行うことで生活困窮状態から脱却するための新しい制度が構築されたことは評価できる。

  2.  「生活困窮者自立支援法」については、自治体の必須事業として、[1]自立相談支援事業の実施や住居確保の給付金支給、[2]就労準備支援事業および就労訓練事業、また、任意事業としては[3]生活困窮家庭の子どもへの学習支援事業、[4]家計相談支援事業等の実施を定めている。生活保護受給に至る前に就労等の支援を早期に行うことで生活困窮状態から脱却するための新しい制度を構築するものであり、求職者支援制度に続き、第2のセーフティネットとして生活困窮者支援制度が創設された。

  3.  これまで連合は、生活困窮者の孤立死や自死、引きこもりなどが増加する中、総合的な支援体制の構築を求め、審議会、国会対策を進めてきた。相談・就労・居住・家計相談・健康面の支援、多様な就労機会の提供等を行う制度が構築されたことは大きな前進であるが、新制度の事業を必須と任意で区分することによる自治体間の差が生じる恐れがある。「中間的就労」については貧困ビジネスの温床にならないための対策が必要である。

  4.  「生活保護法の一部改正案」では、就労による自立を促すための就労自立給付金の創設はあるものの、受給者に対し後発医薬品の使用を促すなどの医療扶助の適正化のほか、受給者自らが健康の増進に努めることや必要に応じて扶養義務者に報告を求めるなど不正・不適正受給対策が強化された。これらは全般的に生活保護への受給抑制を意図したものであり、最低生活保護の観点からは、問題が残された。

  5.  今後は生活困窮者が生活保護に至らず、自立に向けて着実な一歩を踏み出すことや、生活保護における給付の抑制につながらないような制度運用を行う必要がある。連合は引き続き、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、第2のセーフティネットをより強固なものにし、拡充していくための取り組みを進めていく。


以上