事務局長談話

 
2013年11月28日
高校無償化法改正案成立に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 11月27日、参議院本会議において、高校授業料無償制度に所得制限を設ける「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」の改正案が可決、成立した。現役世代の負担軽減、教育の平等の確保の観点から、本法律の改正は極めて遺憾である。2012年9月、政府は国際人権規約A13条の2条項の留保を撤回し、「高等教育・後期中等教育」の無償教育を漸進的に導入することになっていた。高校授業料無償制度に所得制限を設けることは、この流れにも逆行するものである。

  2. この法律は、これまですべての生徒を対象としてきた高校授業料無償制度について、2014年4月以降、一世帯あたりの所得910万円以上の家庭から高校の授業料を徴収するとともに、公立学校と私立学校を一本化し、新たな就学支援金制度にするものである。政府は一方で、高校授業料無償制度に所得制限を導入することよって得た財源をもとに、低所得世帯の奨学のための給付金制度を創設するとしているが、具体的な制度設計は進んでいない。

  3. 連合はこの間、現役世代の負担軽減、教育の平等の実現の観点から、すべての生徒に対する高校授業料無償制度を維持し、新たな財源を確保した上で、給付型奨学金制度を創設すべきと訴えてきた。2010年4月、民主党政権が導入した高校授業料無償制度により、高校中退者は2008年度の2,208人から2011年度の951人に大幅に減少している。保護者の経済状況によって左右されない教育機会の平等が確保されるべきであり、格差を浮き彫りにし、貧困が貧困を生む、いわゆる「貧困の連鎖」を許してしまうようなことはあってはならない。

  4. 連合は、「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」のため、引き続き、保護者の経済状況の格差が子どもたちの進学機会や学力の格差を生まないよう、教育費に関する公的支援を拡充し、教育の機会均等を保障する施策を強化することを求めていく。


以上