事務局長談話

 
2013年03月14日
労政審障害者雇用分科会報告「今後の障害者雇用施策の充実強化について」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  本日、労働政策審議会障害者雇用分科会(分科会長:今野浩一郎学習院大学経済学部教授)は、報告「今後の障害者雇用施策の充実強化について」(以下「報告」)をとりまとめた。「報告」には、労働・雇用分野における国連「障害者の権利に関する条約」(以下「障害者権利条約」)への対応をはかるため、障がいを理由とする差別の禁止や合理的配慮の提供をすべての事業主に義務付けることに加え、精神障がい者を雇用義務制度の対象とすることなどが盛り込まれた。これらは、障がい者の働く権利や尊厳の保護に資するものであり、障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備を前進させるものとして、高く評価する。

  2.  「報告」は、障害者雇用促進法を改正することなどにより、障害者権利条約への対応をはかることが適当としたうえで、 [1]雇用に係るすべての事項において障がいを理由とする差別を禁止すべきであること、[2]職場における障がい者への合理的配慮の提供を義務付けるべきであること、[3]差別禁止や合理的配慮の提供に関して、厚生労働大臣による助言・指導、勧告の規定を設ける必要があることなどを盛り込んだ内容となっている。また、精神障がい者を雇用義務制度の対象とすることについては、十分な準備期間を設けることを前提としたうえで実施することが必要と結論付けられた。

  3.  連合は、障害者雇用分科会での議論において、[1]障害者権利条約への対応にあたっては、差別禁止や合理的配慮の実効性を担保する仕組みとして私法上の効果や行政罰の強化が必要であること、[2]障がい者が合理的配慮を求めたことにより不利益な取り扱いを受けないようにする必要があること、[3]精神障がい者を雇用義務制度の対象とすべきであり、その実施時期についてはいたずらに先送りすべきでないこと、などの主張を行ってきた。「報告」は連合の主張を概ね反映したものとなっている。
     なお、職場における合理的配慮の提供の具体的内容については、引き続き障害者雇用分科会で検討を行い、指針として定めるとされており、「報告」に盛り込まれた趣旨が適切に反映され、障がい者がいきいきと働くことのできる環境の確保がはかられるよう、引き続き議論を深めていく必要がある。

  4.  今後、この「報告」にもとづいて法律案要綱の審議が行われ、今通常国会に障害者雇用促進法改正法案が提出される予定である。連合は、「報告」の内容が正確に法案に反映されるよう対応を行うとともに、障害者雇用促進法改正法案の早期成立に向け、政府・各党への働きかけと国会審議への対応を進めていく。


以上