事務局長談話

 
2013年01月30日
2013年度政府予算案および税制改正大綱の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行

  1.  1月29日、政府は一般会計総額を92.6兆円とする2013年度予算案と2013年度税制改正大綱を閣議決定した。予算案においてはデフレ脱却・経済活性化を前面に出しつつも財政健全化目標を堅持するとともに、税制改正では、不十分ながらも所得税・相続税の累進性強化を盛り込むなど、評価できる点もある。しかし、既に2012年度において公共事業を中心とする大型補正予算案が組まれていることや、税制改正では社会保障・税一体改革関連法で提起された課題の多くが先送りされたことなどを踏まえると、問題が多い。国会での十分な議論を通じた政府案の見直しが必要である。

  2.  予算案については、公共事業費が4年ぶりの拡大となった。公共事業は、学校の耐震化や老朽インフラの再整備など緊急度の高い事業に絞り込むべきであり、2012年度補正予算案とともに内容の精査が必要である。加えて、地域自主戦略交付金の廃止については、地方自治体における自主裁量の拡大に逆行するものであり、問題である。
     また、地方公務員の給与引き下げを前提に、地方交付税の配分総額を3,900億円減額するとしている。しかし、多くの地方自治体では独自に厳しい給与削減を実施してきており、また、地方公務員給与については各自治体における労使交渉を尊重すべきであることから、必要な財源確保のための上積みを求める。
     社会保障関連では、生活保護の生活扶助費を3年間で740億円削減するとしている。消費水準と保護基準との差は世帯類型ごとに様々であり、単純な扶助費引き下げは問題である。また、この引き下げが一般低所得世帯の負担増・給付減につながり、「貧困の連鎖」を生じさせるようなことがあってはならない。引き下げは、政府の経済政策との整合性の観点からも懸念が残る。生活困窮者の支援制度を創設し、重層的なセーフティネットを構築することが必要である。

  3.  税制改正大綱は、デフレ脱却と景気浮揚を税制面から支援するとして、企業に対する減税措置に重点が置かれている。しかし、こうした措置が、内需拡大による持続的な成長に不可欠な雇用と所得の拡大にどの程度つながるのか定かではない。
     また、今次改正では、社会保障・税一体改革関連法において先送りとなった課題が検討されることになっていたが、その内容は総じて不十分である。所得税・相続税の見直しについては、最高税率の引き上げや相続税の基礎控除の縮小が盛り込まれたものの、課税対象者の拡大は僅かである。これらは連合の求める公平・連帯・納得の税制改革とは程遠い内容であり、格差是正・所得再分配機能の強化に向けた見直しが必要である。
     さらに、自動車関係諸税について、具体的な見直しが2014年度税制改正に先送りされた。引き続き、地方財政に配慮しつつ、自動車関係諸税の軽減・簡素化に向けた抜本改革を求めていく。

  4.  いま政府に求められていることは、国民の暮らしと雇用の安定・向上に真につながる政策を実行し、日本経済を持続的・安定的な成長軌道に復帰させ、その成果を国民生活や地域経済に還元させていくという好循環につなげることである。連合は「働くことを軸とする安心社会」の実現を目指し、今後も引き続き全力で取り組みを進めていく。


以上