「クラシノソコアゲ応援団」特別団員メッセージ

いま、連合が全国で展開している「クラシノソコアゲ応援団」の活動にご賛同いただき、
“特別応援団”に加わっていただいた識者、文化人の皆様から熱いメッセージが届きました!
メッセージ一覧へ
労働組合の活動が、これほど大切になっている時期はないと思います。皆さん、頑張って賃上げしてください!

【前編】経済ジャーナリスト荻原博子 氏

アベノミクスは“打ち上げロケット”。
一部のコックピットだけは高く上がるが、あとは全部推進力に使われる。
皆さんの暮らしは推進力使われて全部落ちるんです!

動画を見る

アベノミクスがもたらしたもの。
なぜいま、底上げが必要なのか

一言で言えば、庶民レベルでは給料が上がらなかったというのが痛かった。
実際にアベノミクスというのは、金融と財政主導と成長戦略の三本の矢で日本が好景気になると、それが皆さんのご家庭までトリクルダウンで落ちてくるというシナリオでしたね。ところが、3年待っても落ちて来なかった。
これは、“滴り落ちてくる”と思うから間違っているのであって、アベノミクスというのは“打ち上げロケット”だったんですね。“打ち上げロケット”というのは、一部のコックピットだけはこう高くボ〜ンと上がるんだけれども、あとは全部推進力に使われるんですね。で、推進力に使われるものっていうのは全部落ちるんですね。皆さんの暮らしも全部推進力に使われた後はおちるしかない。これは、暮らしが良くなる人と悪くなる人との差がはっきりと開いてくるということです。

実際になんでそういうふうに言えるかというと、いま、非常に二極化が激しく進んでいて、二極化して儲かっているところは物凄く儲かっているんですね。史上最高益を挙げている企業もある。ものすごく儲かっているお金持ちもいる。
ところがそれはほんの一握りの人で、その他大勢はどうなのかっていうと、これは去年の内閣府のデータですけれども、生活が苦しくなっているという人が62%で、過去最高でしたね。ですから皆さんは何となくアベノミクスといわれる割には生活がどんどん苦しくなっているんじゃないの?と、肌で感じている人が多いんじゃないかと思います。

データを見ると、実際に皆さんのお給料が上がっているのかというと、ほとんど上がっていないと言っても過言ではないと思います。確かに一部の大手企業の従業員は給料が上がっているかもしれませんけれども、そのほか、特に中小、零細企業にお勤めの方は、ほとんど上がっていない。中にはやっぱり下がっちゃってるという方もいらっしゃるので、実はその横這いというのが一番大変で、横這いでもその間に物価が上昇する、それから社会保険料が上がる、それから税金が上がるということで、実際の手取りは横這いだとどんどん減っているんですね。ですから、皆さん多分すごく苦しいという感じを持つんだと思います。
その税金だとか社会保険料だとかのその値上がり分、そういったものは一体どこに行っちゃてるのかっていうと、もちろんその円安で還元されちゃったってところもありますけれども、やっぱり上のほうの大企業の方に集中しているというふうに考えたほうがいいと思います。
例えば税金だったら私たちは消費税を3%負担しなければいけない。けれど儲かっている企業は法人税が下がるという、そういう構図ですね。ですから儲かっているところはより儲かるように、それから儲かっていない普通の方はちょっと生活レベルが下がっちゃう。
これが3年間やってきたアベノミクスの結果だったと思います。そういう意味では期待していた人達も多かったと思いますけれども、ちょっと期待倒れだったなという感じがありますね。

みんなが豊かに暮らすためには、労働組合のあるところにとにかくがんばってもらって少し給料を上げ、他の非正規の人たちもそれに追随して、給料が少し上げられるような環境をつくっていかなければいけないと思います。

労働組合に期待することは?

いまは非正規の方も非常に増えています。この非正規の方は非常に安い賃金で働かされている。そうでないちゃんと労働組合のある方でも、そんなに給料があがっていないという現実があります。
ですから、もっとみんなが豊かに暮らすためには、労働組合のあるところにとにかく頑張ってもらって、少し給料を上げてもらい、みんな他の非正規の人達もそれに追随して、給料が少しあげられるようなそういう環境をつくっていかなければいけないと思います。
そういう意味では、本当に労働組合の活動というのは、これほど大切になっている時期はないと思います。
皆さん、頑張って賃上げしてください!