いま、働く人の3人に1人は、パート、アルバイト、契約、派遣などの、いわゆる「非正規雇用」で働いています。
バブル崩壊後の長期不況のなかで、人件費圧縮のために正規雇用から非正規雇用への置き換えが進み、初職が非正規雇用である人の増加等は社会的な問題となっています。さらに、非正規雇用で働く人たちの多くが、低い賃金・労働条件で働かざるを得ない状況に置かれ、「パートだから」「派遣だから」というだけで不当な扱いを受ける例も後を絶ちません。
こうした問題を解決し、誰もが安心して働き、暮らすことができなければ、経済や社会の安定にはつながりません。そのためにも、どのような雇用形態であっても、あたりまえに生活していけるだけの賃金・労働条件、社会保障のしくみが必要です。非正規雇用で働く人たちの処遇改善や安定した雇用の確保は待ったなしの課題なのです。
雇用形態が違っていても、同じ職場で働く仲間であることに変わりはありません。連合は、2007年10月に「非正規労働センター」を設置し、非正規雇用で働く人たちの処遇改善や安定雇用、諸制度の見直しに向けた取り組みを展開しています。また、職場の問題解決や要求を実現していくためには労働組合の力が不可欠であり、非正規雇用で働く人たちや未組織労働者のみなさんへの組合加入や労働組合結成に向けた取り組みも進めています。
雇用形態に関係なく、誰もが活き活きと働くことができる職場や社会の実現をめざして、すべての働く仲間の力を結集しましょう。
「職場から始めよう運動」とは、「同じ職場・同じ地域で働く非正規労働者が抱えている問題を、自らにつながる課題として捉え、その改善のために何ができるかを考え、具体的なアクションにつなげていく」取り組みのことをいいます。
これまで連合は、非正規労働者に関わる政策の実現に取り組んできました。非正規労働者の雇用環境や生活実態を踏まえると、処遇改善や雇用安定とあわせて若者雇用問題やワークルール教育、さらには連合・労働組合の役割などを伝える運動を、それぞれの職場や地域において拡げていくことも重要です。そして、その運動の拡がりによって運動との両輪となる政策の実現に繋げていくことができると考えます。
連合は、こうした運動を強化し拡げていくことを目的に、非正規労働者の組織化(組合づくり)や処遇改善、「地域に根ざした運動」を先行して実践している事例を分かりやすく紹介した「『職場から始めよう運動』取り組み事例集」を作成しています。